Monologue: August 4 2011

 
福島を見つめる
 
陸前高田から戻ったある日、
NHKで「ふくしま希望市場」の事を知りました。
http://www.kibou-ichiba.jp
私には娘が2人居ます。
内1人は0歳児ですので、こと放射線に対して慎重に調べています。
踏まえておかなければならないのは、
線量が高いとはいえ水や空気が綺麗な地域で作られ丁寧に計測された作物のリスクと、
排ガスにまみれた都市部で作られた作物のリスクについて、
もっと然るべき比較がされてもいいように思うのです。
しかしながら私の日常は、子供達の被曝感受性を鑑み、
残念ながらこちらから作物を買うことができないでいます。
この矛盾がとてもジレンマです。

ツイート上で「ふくしま希望市場」の事を触れた直後、
音楽家の大友良英さんが私をフォローなさいました。
大友さんは今「プロジェクト FUKUSHIMA!」という活動をなさっています。
http://www.pj-fukushima.jp
私は、大友さんから私に接して下さったのを切っ掛けに、
福島の事をよりもっと考えるようになりました。

そんな意識もはたらいて、8月1日に福島の楢葉町で録音作業を行いました。
http://bit.ly/recording_point_naraha
福島第一原発からちょうど30km圏です。

私はアクティビストになるつもりはありません。
5月7日のブログにも書いたように
“災害に対峙する自身の意識の確認ではなく、その表明でもなく、
あくまで社会の事情からのまったくの飛躍”
という基軸から外れないよう心がけています。
しかし今の私が何をしているかを形容するのはとても難しいのです。

震災直後の夜、
計画停電があった最中に自宅の窓を開けて音を採取しましたが、
その音はむしろ騒音だらけで、音質も不快でしたので、作品化を諦めました。
対して、福島で録った音はとても澄んでいました。
自宅でその音を聴いて、
何の調整も要らない音だとわかり、そのまま作品にしました。
“2011”というのがその音です。
http://shiigishizune.com/2016/09/17/022/

夕暮れから夜にかけての録音作業。最後にはとても深い闇に包まれました。
 


 
 

This entry was written by shiigishizune , posted on Thursday August 04 2011at 12:08 am , filed under Monologue